スペイン王国
写真提供:スペイン政府観光局
スペインは、情熱と躍動に満ちた国です。この特質は、変化に富んだ歴史と多様な文化が混ざり合ったことから形成されたものです。スペイン美術は、ヨーロッパ文化が織りなすタペストリーに強く作用する糸として織り込まれているようなものといえます。映画に関して見るとスペイン映画の持つローカル性は、世界の観客を大いに楽しませています。近年も、技術的にもクリエティビティの点からも卓越した作品群を生み出していることで高く評価されています。その出発点は、映画史に輝くルイス・ブニュエル監督ですが、1980年代にはペドロ・アルモドル監督がこれに続き、現在へと確実に引き継がれています。
ギジェルモ・リオス監督ギジェルモ・リオス監督
「ナシハ」という作品で第4回CON-CANムービー・フェスティバルの魂賞を受賞したギジェルモ・リオス監督は、スペインのカナリー諸島テネリフェ島で育ち、現在も住まいを置いています。カナリー諸島の風土は、アウトドア派にとっては最高の環境で、歩くことの好きな人のパラダイスであり、ビーチを愛する人の夢がかなうところです。テネリフェ島もまさに、そのとおりで、美しいビーチと素晴らしい景観にあふれています。リオス監督もこうしたテネリフェの心落ち着く環境と快適な気候を楽しみながら暮らしています。こうした環境のなかで新たな映画への構想が生みだされます
スペイン特産の生ハム/写真提供:スペイン政府観光局文化・食べ物
カナリー諸島で昔から盛んなスポーツにレスリングがあります。レスラーは、持てる力と敏捷さを競いあい、動きあって相手を地面にたたきつけます。日本の国技である相撲ともに似通ったエキサイトする競技です。映画好きにとって特筆すべきは、カナリー諸島には、2つのユニークな映画祭があることです。Las Palmas de Gran Canaria International Film Festival と Canariasmediafest - International Arts and Digital Cultures Festival of Gran Canariaの二つの映画祭です。いずれの映画祭も強いローカル色と独自性を持つ映画祭で、CON-CANムービー・フェスティバルと同様に短編映画も取り上げています。リオス監督のテネリフェ自慢のひとつに、カナリー料理があります。カナリー料理の特徴は、伝統的なスペイン料理のレシピにアフリカ料理、南米料理の影響が加わっていることです。温暖な気候と地形に恵まれていることから新鮮な農産物、肉類、魚介類と食材にはこと欠くことがありません。リオス監督の行きつけの店や自宅で食べる生ハムは、親類が作っているもので、世界でも知られたトップクラスの生ハムです。どこのレストランの料理も自宅で料理されたカナリー料理にはかなわないとリオス監督は自慢しています。
ラス・カニャダス (映画「スター・ウォーズ」の撮影場所)/写真提供:スペイン政府観光局自然
リオス監督のもうひとつのテネリフェ自慢は、テイデ山という火山があることで島全体が地理的にも生物も変化に富んでいることです。島の北東部と南西部のあたりは、みずみずしく潤っていますが、南部の海岸地帯はカラカラに乾躁した地域です。自然環境の多様性こそは、テネリフェの魅力であるといえます。南部と北部は、景観も気候も全く異なっていて、南部は暑く、乾躁した地帯で、休日になるとプラヤラスアメリカスやロスクリスティーナノスといったリゾート地のビーチには多くの人が集まります。一方、北部は、降雨も多く緑に恵まれています。また、テイデ山の火山風景は圧倒的なもので、有名な映画の背景として使われています。たとえば、スター・ウォーズ、猿の惑星、十戒といった作品を通して世界に知られています。このように、テネリフェ島全体の自然が変化に富んでいるのは、スペイン領内最高峰であるテイデ火山によるもので、素晴らしい景観で溢れています。



